この度も鍵庄の川柳コンテストにたくさんのご応募を頂き、誠にありがとうございます。
前回よりも200句以上多く、はじめて1000句を超えました。
毎年ご参加頂いている方はもちろん、この度はじめて参加頂いた方も詠みごたえのある力作を投稿して頂きました。心より感謝申し上げます。
さて、今回は「エール(応援)」というテーマで広く募集をしました。
旦那様や奥様へのエール、お孫さんへのエールなど、家族間での応援川柳が多く集まりました。また、今年はオリンピックも開催されたことから、選手を応援する川柳や新型コロナウイルスによる生活の変化を取り入れた川柳も多かったです。そんな数多く集まった川柳の中でも、情景が想像しやすく、詠んだ後に心が温かくなったり、やさしい気持ちになる川柳を選びました。
また、昨年に引き続き特別審査員を川柳家である西端康孝氏にお願い致しました。お忙しい中、すべての作品に目を通し、丁寧に選考してくださって本当にありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。
最後に、これからも鍵庄はコンテストやキャンペーンなど開催していきます。皆様のご参加、心よりお待ち申しております。
父親は見ていないようで、ちゃんと見ていて好きな物を知っていてくれ宅配便を送ってくれたと言うことです。
選んで頂きありがとうございます。父親というのは、なかなか言葉に出しては言わないけど本当は子供のことを見ているんだよという思いで作りました。
不器用ながらもお子様を思う親の気持ちが伝わる川柳です。直接会って渡すのは恥ずかしいけれど、好物をしっかりと覚えていて送ってくれるのは親ならではなのでしょう。宅配便の箱を開いた時の笑顔がスッと想像できる素敵な一句でした。
頑張る全ての人にエールを送りたい。
このたびはステキな賞をいただきましてありがとうございます!通っているお店がコロナで店を閉めざるを得ない中で、自分たちにできることはテイクアウトの形で通い続けることなのではという気持ちを込めました。この受賞を励みにまた頑張ります。
頑張れと声に出して伝えることは簡単でも、それを態度や行動で示すのは容易ではありません。ましてや、それを継続し続けるのはどれほど難しいことでしょうか。コロナ禍において、たくさんの人が距離や制約に苦しみました。そして「いのち」とは、生命のことのみならず、生きていく上で欠かせない「糧」であることも知りました。命を守るために、買い支える。行動を続ける。いろいろな応援の形を持ちながら、私たちは、疫病とともにこの世界を守り合っていきたいということを、この句に教えられたような気がします。
相手を思いやる心と行動が、エールになる
声援ができない状況下、万雷の拍手で頑張るひとを讃えたい、と思って作った句です。
声を出しての応援は満足にできない環境が続いております。そんな状況だからこそ、いつも以上に力強く拍手をして応援したいという気持ちがこの川柳には詰まっていました。声援を超える拍手は、力や勇気を与えてくれるでしょう。
産後、友人が会わずにドアに出産祝いを吊り下げてくれた。コロナ禍の子育てで不安だったので、とても勇気づけられた。
昨年に続き、二度目の佳作を頂き、とても嬉しいです。我が子もそろそろ離乳食で海苔が食べられる月齢になるので、海苔デビューしたいと思います。
本当なら直接会って渡したいし、赤ちゃんのお顔も見たいはず。そんな状況でも「おめでとう」という気持ちは伝えたい。こういったさりげない優しさや気遣いが、たくさんの人を笑顔にしていくのだろうと思います。
悩ましい時、ふと自分を取り戻す言葉に出会うことがある。
コロナ禍にあって、医療従事者(看護師)として病院に従事している長男の嫁も例外なく昼夜問わず休日返上の日もあり、家族の不安もつのりばかりです。仕事とは言え、一緒に暮らしている私達も嫁の健康が心配の種です。この度は受賞連絡ありがとうございます。
直接会えないからこそ、メールではなく自筆で気持ちを伝えたい。奥様を気遣う気持ちが込められた川柳です。「がんばれ」ではなく「無理すんな」という言葉は、心から大事に思っているからこそ生まれたのだろうなと感じました。
頑張れ!子供たち!
この度は佳作に選んで頂きありがとうございました。子供の試合の日ってなぜか気合いが入って、作るおにぎりも大きくなりがちです。大きいおにぎり、作り続けたいです!
このおにぎりはいつもよりも大きいだけでなく、かたく握られているのではないかと想像をしました。手に汗を握る試合の行方ですが、試合の朝からもう戦いは始まっていて、(きっときっと)という強い想いが、米の一粒一粒に握られているのかもしれません。わずか17文字の中に、「試合の朝」という情景を描き、「祈りと応援と緊張」の心情を織り込んだ素敵な光景に出逢えました。
卒論をがんばる大学院生の妻に対して感じた素直な気持ちを川柳にしました。
選んでいただけるとは思っていなかったので驚いています。今がんばっている人、これからがんばろうとしている人、今はがんばるのを休んでしまっている人にも、この川柳が響いてくれたらと思います。
歌詞にはよく「誇り」や「プライド」という言葉が登場しますが、実際に使うには、気後れしてしまいがちな表現でもあります。それを面と向かって、そして相手の長所を認めた上で言い切ったとは、たしかな自信を与えたに違いありません。誹謗中傷、言葉はナイフになってしまうこともありますが、誰かの人生の礎にもなり得るのだということを教えられました。
友人から聞いた愛猫とのエピソードを詠んだ句です。私は猫を飼っていないのですが、「猫って人の気持ちが分かるんだよ」と語る友人の話を聞いて、いつか飼ってみたいと思っています。
この度は,佳作に選んでいただきまして,本当にありがとうございました。句の着想を与えてくれた友人に,賞品をお裾分けして,喜びを分かち合いたいと思います。
エールを送ってくれるのは人間だけとは限らない。愛猫も家族の一員であり、そっと寄り添ってくれる大切な存在です。猫パンチという可愛い響きが、川柳全体の温かさを作ってくれています。
離れていても、会えなくても、ふるさとはいつも心にエールをくれる
厳しく頑固、怒ると怖い父でしたが、父の書く文字はやわらかく読みやすい字で、やさしい人なのだと安心していました。父の書いた文字を見ていると、ずっと家族を守ってくれていたのだと今ならわかります。
まだケータイのなかった時代、手紙をせっせと書いていたことがあります。朝、読み返すと恥ずかしく、渡さないままに消えていったフレーズもたくさんありました。そんな「手書き」には、筆圧や筆跡に、言葉以上のエネルギーが宿るのではないかと今も信じています。会えないから、遠くにいるから、だったら電話で声を聞かせたらいいのに、それは照れくさく、だから短く、見慣れた字、受け取る自分。言葉にできない不器用な印象が、より強く、親子の絆を浮かび上がらせています。心に浸透するエールですね。